春のお彼岸が近づいてまいりました。

2021年の春のお彼岸は3/17~の7日間です。
春のお彼岸は「春分の日」前後3日間を合わせた7日間を指し、春分の日をお彼岸の「中日(なかび・ちゅうにち)」と呼びます。

日本の仏教では、亡くなったご先祖さまがいる「彼岸(ひがん)」と私たちが生きている「此岸(しがん)」が春分・秋分の日に通じやすくなるとされており、これらの時期に先祖供養をすることでご先祖さまの冥福を祈るとともに、遙か彼方の極楽浄土・彼岸に思いをはせたのが現在の「お彼岸」の始まりと言われています。

お彼岸のお供え物と言えば、牡丹餅です。
「牡丹餅」と「おはぎ」は基本的には同じものであり、春は牡丹の花にちなんで「牡丹餅」、秋は萩の花にちなんで「おはぎ」と呼称が変わるのは有名な話ですね。

しかし、昔は「牡丹餅」はこしあん、「おはぎ」は粒あんという違いがありました。
小豆の収穫は秋に行われますが、収穫されたばかりの小豆は皮も柔らかく食べやすいため、秋の「おはぎ」にはそのままつぶして粒あんとして使用していたそうです。
一方で春に「牡丹餅」を作る時期になると小豆の皮が固くなってしまい、粒あんとして食するのは適さないため、皮を取り除いてこしあんとして使用していたと言われています。

最近ではそのような違いは見られなくなり(小豆の品種改良の賜物ですね)また和菓子屋さんでも通年で「牡丹餅」「おはぎ」としているお店をよく見かけます。

昔は砂糖が大変な貴重品で、また小豆はその赤い色で邪気を払う効果があるとされ、牡丹餅と言えば御馳走で法要の際にも必ずお供えしていたと言われています。
今年のお彼岸のお墓参りには、お供えにおいしい牡丹餅を持参されると、ご先祖様もきっと喜ばれることでしょう。